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LGBTQ的な目線ではなく、トランスジェンダーと言う観念ではなく、

単なるアホなエロ的な感慨に過ぎないのですよ。これから述べる事は。

エロ目的のニューハーフの黎明期のインタビューで、とあるニューハーフさんが

仰っていたのだが、製作者側が意図的に男の残り香を強調する様な演出をしていたのが

辛かったそうだ。
ざっと30年は前の話だけれど、当時のエロ本やAVにおけるニューハーフものは、

男の残り香を色濃く残す方向に舵を切っていたことになる。

当時は今とは違って、メイクやらドラッグやら医療技術やらが劣っていた故に、

今ほどの高水準には女性に寄せられなかったのにも関わらずである。

当時の製作者たちは「女性にチンポが生えている」的なイメージをニューハーフに求めず、

極端に言えば、ばってん荒川や桑原和男的なオカマのイメージの延長線上に

アシュラ男爵的なスパイシーな味付けをした商品を提供しようとしていたのであろうか。

であるならば、ニーズを読み誤っているとしか言いようがなく、

当時の技術を鑑みれば、全力で女性化させてしかるべくであったろう。


ただ、一つ言えるのは、是非もなく、作り手には確固たる信念があったと言う事である。



一方、現在のニューハーフものはどうであろうか。

メイク技術も進化した。美容整形も進化した。医薬品も進化した。

技術は理学を糧に突き進む、研究は飛躍する。否!否!研究は飛躍した!

奇跡の様な科学を、科学のような奇跡をニューハーフ達は享受できる時代となった。

その結果、エロの世界のニューハーフ達も限りなく純女に寄せていく。

正に「チンポの生えた女性」の始まりである。


でどうなったね?理想的なAVが巷に出回っているのかね?

否、否である。

ニューハーフはより魅力的になった。

しかしながら、作り手はニューハーフの魅力を伝えきれていない。

それは彼女達の魅力を理解できていないのであろう。


ニューハーフと言うは、いつの時代からか途切れなく続き徒花の連鎖であり、

使い捨てられたパイオニア達の屍の上に定番化したジャンルとなったモノであるが、

間違った方向に逝ってしまった。


それは、ニューハーフが限りなく純女に拠った事が原因なのか、

それとも製作者側に想像力が無いのか、

通常のAV、女性が主演するAVと同じフォーマットにニューハーフを乗せているだけの、

平たく言えば、所謂AV女優の首を、ニューハーフのそれに挿げ替えただけの

商品ばかりが巷間、出回ってしまっている。


エロ世界では、ニューハーフは純女ではなく、純女はニューハーフではない。

当たり前の事だ。


そもそも、ニューハーフの魅力を知らない、知りもしない者達が、

AVを作っているのであろう。

そもそも、AV全般に渡って監督業をしている者達は職人ではなく、

たんなるベルトコンベヤーに流れてきた部品を企画書通りに組み立てるだけの

期間工なのであろう。


それは、思考をを自動化し、創作を自動化した木偶である。


彼女たちの魅力を理解していないからこそ、してはならないことをする。

例えば、純女と共演させる商品も後を絶たないが、

如何に現在のマジックでチューンドした彼女達であってもその骨格までは

簡単に変えられない。

であれば、何もかもぺったんこの棒人間の様な女優を起用するならともかく、

グラマラスを起用しては、必然の比較においてニューハーフの悪癖が一気に噴き出し、

何もかもが台無しになろうことは火を見るよりも明らかであろう。

この事象がより顕著に顕れる「男の娘」モノでも同様なことをしでかしている事でも

脳がウズラの卵並であることが理解できる。


また、男の残り香はどこに最も顕著に現れるのか?

声はある意味、解かりやすいが、これは意外と慣れる。おっさんみたいな声でも慣れる。

問題は手の甲にある。ここに男が出る。ニューハーフであればホルモン効果でまだ

マシな場合もあるが、男の娘なら嫌になる程に顕著である。

であるならば、手の甲に男の残り香が色濃く宿るなら、それを見せないカメラアングルが

必須であろうし、もし、手の甲にオトコのデフォルメが出ていないなら

逆にクローズアップすべきだが、そんな事をしている商品など一切合切見た事はない。


更にはエネマグラを使用して勝手に体がガクガク震えてしまうシーンを創出する

ギミックなど見た時もないことからも理解できる様に、

逆にニューハーフだからこそ創造できる演出も皆無となっている。


確かに需要家の性的趣向は、マイノリティであるニューハーフと言うクラスタでさえ、

多種多様であるが、それ以前の問題として、

そのフィクショナルな偶像は抽象化できないのはディスコン状態であり、

つまり、ニューハーフをわかりやすく商品化出来ない事は終焉であると感じる。


それ程までにユーザーの性欲は度し難く、それ程までに製作者の能無しぶりは度し難い。


であるならばだ、かつての製作者は間違った方向であっても拘りと確固たる信念があり、

今の愚鈍な者達は、当時とは比較にならない高度な素材を手に入れながら

何も考えていないが故に、何もかも無駄遣いにして御破算にしているのではないか。


今は、女装子ですら高いレベルを創出する時代であり、

ドーピングとチューニングで純女とそん色ない程の進化をとげたニューハーフであるが、

ことエロ分野においては進化したのか、退化したのか解らない。


時代が変遷してもニューハーフと言うは、咲いても実を結ばずに散る徒花なのか。

無花果が実る前に立ち枯れるのであろうか。



無花果が実る前に立ち枯れたとしても、これは敗北を迎えることを意味しない。

一夜一幕の茶番劇、シスジェンダーも トランスも、この世の中も。

産まれる前の腹子から今際の際の老人まで誰もが、できるだけ良い役を

演じたいと思う中で、

一切の差別無く心を込めて一人も余さず咲いても実を結ばずに散る花は

それだけでも切なく美しい。


                                制作・著作 
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